これからおいおい観ていくつもりだ。
とりわけ、『耳なし芳一』で壇ノ浦に滅んだ平家の武者や女房たち一門の亡霊が正装して居並ぶシーンの美しさは、黒澤明の後期カラー作品群(『影武者』『こんな夢を見た』ほか)を軽く凌駕し、日本映画史における最高美を焼き付けている。これ一編だけでも観る価値が十分ある。
いや、日本映画を語る者なら観なくてはなるまい。
「黒髪」の三國連太郎の凄絶な老醜ぶりと鬼気迫る演技、「雪女」の岸恵子の清潔感と直感的な語りの冴え、「耳なし芳一」の中村嘉津雄と丹波哲郎の他の役者が考えられないほどの適役ぶり。ほかにも新珠三千代、仲代達矢、田中邦衛、村松英子、中村翫右衛門、杉村春子が強い印象を残す。
これだけ贅沢なスタッフを集めた映画は、もう作れないだろう。
傑作である。
「耳なし芳一」「むじな」「鳥取のふとん」など小泉八雲の代表的作品のほか、上田秋成「雨月物語」、岡本綺堂「すいか」など、寝小便が止まらぬほどの名作・怪作ぞろいであった。
一緒に収録されていたウィリアム・ジェイコブス「猿の手」、チャールズ・ディケンズ「魔のトンネル」といった初めて接する海外の怪談が眠れなくなるほどに怖かった。とくに、「魔のトンネル」は、これまでに自分が読んだり観たり聞いたりした数知れぬ怪談・ホラー・怪奇ドラマの中で、今に至るまでトップの座を譲らない‘鉄板’の悪魔的傑作である。ユーモア小説の大家ディケンズは、ホラー小説の名手でもあったのだ。
評価:A-
A+ ・・・・めったにない傑作。映画好きで良かった。
「東京物語」「2001年宇宙の旅」「馬鹿宣言」「近松物語」
A- ・・・・傑作。できれば劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」「スティング」「フライング・ハイ」「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
B+ ・・・・良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」「ギャラクシークエスト」「白いカラス」「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」
B- ・・・・純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
C+ ・・・・退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」
C- ・・・・もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」
D+ ・・・・駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」
D- ・・・・見たのは一生の不覚。金返せ~!!