●歩いた日 1月12日(土)
●天気 快晴
●タイムスケジュール
13:30 小田急線・秦野駅
歩行開始
13:50 弘法山公園入口
14:00 浅間山頂上
14:20 権現山頂上
15:00 弘法山頂上
昼食
16:15 吾妻山頂上
16:30 弘法の里湯着
歩行終了
18:20 小田急線・鶴巻温泉駅
●所要時間 3時間(歩行2時間30分+休憩30分)
今年は丹沢デビューする。
wikiによると「丹沢山地(たんざわさんち)は、神奈川県北西部に広がる山地。東西約40キロメートル、南北約20キロメートルに及び、神奈川県の面積の約6分の1を占める。」
都心から近くアクセスがよいのと、どの山からも富士山が望めるのと、登りやすい手頃な山が多い(最高峰の蛭ヶ岳でも標高1,673m)のが魅力である。
手始めに丹沢の山並みが眺められる秦野市内の弘法山に出かけた。
低山にしては抜群の眺望(360°)が得られるとガイドブックに書いてあるし、寒くて日の短い今の時期にはちょうど良い歩行時間&距離だし、下山後に温泉もある。なによりも弘法という名前に惹かれる。丹沢もやはり古来から修験道の修行地である。空海上人にご挨拶してから丹沢デビューというのが礼儀に適っているだろう。身の安全も祈念したい。
秦野駅には初めて下りる。
はじめての駅、はじめての町というのはそれだけでワクワクするものである。思いのほか大きくてきれいで発展しているのに驚く。駅からはこれから登る権現山&弘法山はもちろん、丹沢の山々が青空にさえざえとビルの背景をなしている。
秦野は交通の要所なのか、とにかく車が多い。登山道へのアクセスでこれだけ車が多いのもはじめてかもしれない。これまで登ってきた山々がある中央線沿線や奥多摩、奥武蔵とは様相が異なる。ま、この俗と聖、動と静、人工と自然の対比こそがまた一つの魅力と言えるかもしれない。
町の中から富士山が見えた。
弘法山入口からは上り階段が続く。
ヒートテックのシャツが汗ばんできた頃に浅間山頂上に到着。
おもむろに振り返ると、浅間山という名に恥じない見事な富士山の出で立ち。毎朝ここに登って拝んでいる市民も少なくあるまい。(光の加減でカメラに写らないのが残念)
ここからは尾根を縦走する。
右手は秦野盆地と相模湾を眼下に、左手はお会いするのも待ち遠しい丹沢の山々、正面に丹沢の象徴とも言える大山(1252m)を眺めながらの気持ちの良いウォーキング。
木々の間にカモフラージュされた公衆便所がいとおかし。
権現山の頂上は広く陽当たりも良く気持ちいい。子供たちが遠足のお弁当を広げるのはここだろう。カップルがデートで身を寄せ合って休憩するのもここだろう。花見の頃は酔客で賑わうことだろう。
ガイドブックに偽りはなかった。中華建築風の展望塔に上ると360°の素晴らしい眺望に胸ひらかれる思いがする。ぐるりと、房総半島、江ノ島、相模湾、伊豆半島、富士山、丹沢山塊、大山とそれらに縁取られた湘南の町々が、一月にしてはうららかな明るい日射しの中で憩っている。平和である。
市街地からほんのちょっと登っただけでこんなに素晴らしい癒しのスポットがあるなんて、秦野市民は幸せである。
馬場道と呼ばれている、その昔草競馬を開いた直線道路を闊歩して弘法山に至る。途中、小鳥たちが藪の下から顔を覗かせる。バードウォッチングもこの山の魅力の一つらしい。
弘法大師が修行をしたと言われるこの山の頂上には、お大師様を祀ったお堂のほかに鐘楼や井戸があって、なかなか雰囲気のあるところ。夜はかなり恐いだろう。この井戸から湧き出た水は白く濁り、乳の香りがしていたという。それを飲むと乳がよく出るようになると言われ、夜中に人知れず山に登る母親が多かったと。丑の刻参りか。
ここで相模湾を眺めながら昼食をとる。
さすがに寒くなってきた。
早々に下山路へ。
出会う人の少ない山道を夕陽に照らされてたんたんと歩く。
一人っきりで。いいや、同行二人で。
吾妻山はヤマトタケル伝説のあるところ。東征した折りに立ち寄ったらしい。
ヤマトタケルと弘法大師はなんだかどこ行ってもお目にかかる。
鶴巻温泉駅の近くにある「弘法の里湯」に浸かる。パンフレットによると、鶴巻温泉は開湯から80年余(結構新しい)。カルシウム含有量が牛乳並みで体が良くあたたまるとのこと。
なるほど、弘法山の井戸水にはカルシウムが含まれていたのだ。
伝説には意外と科学的裏付けがあるものだ。
湯上がりはカルシウムでなく麦芽で。
たまらん。