ソルティはかた、かく語りき

東京近郊に住まうオス猫である。 半世紀以上生き延びて、もはやバケ猫化しているとの噂あり。 本を読んで、映画を観て、音楽を聴いて、芝居や落語に興じ、 旅に出て、山に登って、仏教を学んで瞑想して、デモに行って、 無いアタマでものを考えて・・・・ そんな平凡な日常の記録である。

評価C+

● もっと光を! 映画:『ルーム205』(ライナー・マッター監督)

 2011年ドイツ映画。

 親元を離れ大学の寮に入ったカトリン(ジェニファー・ウルリッヒ)。新たな出会いと経験が待つ自由な生活に期待をこめて205号室のドアを開く。
 しかし、そこに待っていたのは行方不明となった前の入居者アニカをめぐる忌まわしい秘密と恐怖の心霊体験であった。

・・・・・という話。
それ以上でもそれ以下でもない。
オカルトホラーミステリーとしてはよく出来ている。
CGに頼りすぎずに恐怖を描いているところも好感(?)持てる。
 ドイツの大学生たちの雰囲気や寮生活というものを窺う面白さも味わえる。やはり、日本ともアメリカとも違う。
 全体に暗い画面なのだが、これこそドイツの光なのだろう。
 昔早春のイタリアを旅したときに、ドイツから来た多くの観光客がローマやベニスやミラノのあちこちのピアッツァ(広場)に長い足を投げ出して寝そべって、日光浴していたのを思い出す。
「もっと光を!」(byゲーテ)か。



評価:C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」 

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


● 映画:『ビジター』(トッド・レヴィン監督)

 2012年アメリカ映画。

 原題はSTATIC。
 そのタイトルどおり、美しくSTATIC(静的な)映像と共にゆっくりと描き出されるのは、トラウマを抱えた夫婦の姿。数年前、家の近くの沼に落ちて亡くなった一人息子の死を受け止められない作家とその美しき妻。
「あれ?これはトラウマ家族の再生ドラマだったのか」と、一瞬肩透かしを食らうが、ドアをノックする真夜中のビジター(訪問者)の登場と共に、雰囲気は一転してミステリー&ホラー色を強める。
 国家やCIAやマフィアが絡む陰謀ものなのか?
 宇宙人の侵略ものなのか?(SF)
 猟奇殺人をめぐるクライムサスペンスなのか?
 一人息子の死には何か大きな謎が隠されているのか?
 先の見えない展開にグイグイと引き込まれる。


 が、自分は途中でトリックがわかってしまった。
 『シックスセンス』(ブルース・ウィリス)や『アザーズ』(ニコール・キッドマン)や『パッセンジャー』(アン・ハサウェイ)を通過した目には、もはやこの結末は意外ではない。一人称もののミステリーを読むときに、『アクロイド殺し』(byアガサ・クリスティ)のトリックの可能性を頭に入れながら読み進めるクセがついてしまったように。
 やっぱり先鞭をつけてこその大トリックである。

 囚われた(STATIC)時間や場所から解放されるには、感情を吐き出し、自分も他人も受け入れ、許し、手放すことが必要なのである。生者も死者も。




評価:C+


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」    

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!

 
 

● 本当に怖いもの 映画:『ディスコード』(ニコラス・マッカーシー監督)

 2012年イギリス映画。

 原題はTHE PACT
 「約束」の意だが、誰とのどういう‘約束’なのかが良く分からない。
 代わりにつけられた「ディスコード DISCRD」は、「不調和、不協和音」という意味。こちらのほうが内容的にはふさわしい。けれど、ディスコードの意味が理解できる日本人はそう多くないだろう。なんのためにタイトルを変えたのか意味不明である。
 自分だったら内容に即して『ジュダス――悪魔の棲む家』とでも訳すだろう。


 この映画を観て子供のころの祖母との会話を思い出した。
 小学5年生当時、自分にとって一番怖いものは幽霊、とくに悪霊であった。
 そういった超自然的なものに興味を持つ年頃ではあるが、かててくわえてこの時、日本はある一本のアメリカ映画の登場に話題沸騰していた。テレビをつけても、雑誌を開いても、この映画の怖さや不気味さが喧伝されていた。悪霊に取り憑かれた主役の少女のグロテスクな顔が自分の読んでいた少年漫画雑誌の表紙を飾っていて、一度見たら忘れられない、寝るときにはその雑誌を目の届かないところに遠ざけておいたほどの、衝撃と恐怖をもたらした。
 言うまでもない。70年代オカルトホラーブームの端緒を開いた『エクソシスト』(ウィリアム・フリードキン監督、1973)である。
 怖くて仕方ないけれども怖いもの見たさもある。くだんの漫画雑誌をおそるおそる開くと、こんなことが書いてある。
「悪霊はとりわけ美しい少年少女に取り憑くのを好む」
 背筋がゾっとなったものである。

 で、ある日祖母と家の近くの公園を散歩していて、幽霊に対する恐怖心を縷々と語ったのである。
 自分はたずねた。
「おばあちゃんも幽霊怖い?」
 すると、祖母はこう答えた。
「この歳になるとね、幽霊なんか全然怖くないよ。やっぱり、一番怖いのは人間だね」
と、周囲の木々を指さして、「こうした森の中を歩いていて、木の陰から突然包丁を持った男が飛び出してくるのがよっぽど怖いよ」
「ふ~ん」

 祖母の歳まで生きたら(といっても60歳に届いていなかったはずだ)、自分も同じように思うのだろうか、などと考えたのであった。


 もちろん、祖母は正しかった。
 人間の悪意や嫉妬、狡猾さや狂気にくらべたら、どんな悪霊の脅しも天使のウンコみたいなものである。
 『エクソシスト』をマジで怖がっていられた子供の頃の自分は、性善説を信じられるくらい幸せだったのだろう。
(しかしトラウマは健在だ。いまだにグリーン豆のスープを若干の不快さなしに飲むことができない。)



 
評価:C+


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」 

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


● 老いvsゾンビ 映画:『ロンドンゾンビ紀行』(マティアス・ハーネー監督)

ロンドンゾンビ紀行 2012年イギリス映画。

 見るからにB級臭がぷんぷん匂ってくるパッケージデザインとタイトル。
 ありとあらゆるバリエーションを極めたゾンビ映画にまだ新基軸が残っているのか。

 原題はCockneys vs Zombies
 Cockneysは、イーストエンドに住む生粋のロンドンっ子。労働者階級の多い、いわゆる下町。オードリー・ヘプバーンが演じたミュージカル『マイ・フェア・レディ』のイライザの出身地区である。
 その意味で、英語が理解できたらもっと面白いだろうに・・・と残念に思わざるをえない。おそらく下町訛り炸裂のはずだから。
 Cockneys(下町っ子)の度胸と根性を見せてやるぜ。ゾンビ、この野郎、なめんじゃねえぞ!
 というのがテーマなのだが、新基軸は今回ゾンビと死闘(?)を繰り広げるのが老人ホームの老人たちであるというところ。言ってみれば「死に損ない同士の」闘いである。
 これが笑える。
 あの独特の歩き方と速度で追っかけてくるゾンビから、必死で逃げるのは歩行器を操る足の悪い老人。捕まりそうで捕まらないところがスリリング、というか滑稽である。幾分健常な仲間の老人は、武器ならぬ車椅子を手に救出を図る。
 死が迫っている老人たちでもやはりゾンビになりたくないのか。
 いや、ゾンビになればもはや死ぬことはないのではないか。
 ゾンビになったら、車椅子の老人も歩けるようになるのか。
 ・・・・・
 いろいろな疑問が生じつつ、ブラックジョークと言えるほどの皮肉や意地悪さは感じさせない、底の浅いナンセンスな展開にB級の心意気を感じる。

 主役の兄弟の弟のほうを演じるハリー・トレッダウェイがキュートで赤丸急上昇!




評価:C+


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」       

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!

● 壊れゆくバチカン2 映画:『ローマ法王の休日』(ナンニ・モレッティ監督)

 2011年、イタリア映画。

 タイトルと、「コメディ」というジャンル表示と、DVDパッケージのあらすじとから自分が思い描いていたストーリーは↓


心ならずもコンクラーヴェで法王に選出されてしまったメルヴィル枢機卿(ミシェル・ピッコリ)は、巨大なプレッシャーに耐えきれずバチカンからローマの街に逃げ出してしまう。
 そこで出会った市井の人々との交流の数々。民衆の悩みや喜びや苦しみや素朴な信仰心に触れるなかで自らの信仰のきっかけを思い出し、使命を自覚し、バチカンに帰還。晴れて法王の座に着く。

 途中までは確かにこの通り進むのだが、最後の最後に裏切られた。
 メルヴィルはバチカンに帰還する。が、サン・ピエトロ広場に集まった大観衆の前で、いやメディアを通じ一連の騒動に注目していた世界じゅうの人々の前で、法王になることを拒絶するのである。
 メルヴィルは言う。
「神が間違うわけがない」
「私が神によって選ばれたのも間違いない」
 ならば、結論はどうしたってこうなるはずだ。
「私が法王になるのは正しい」
 で、ありながら、メルヴィルは睨座を拒否するのである。 
 これは究極の謙虚なのか。自己卑下なのか。
 メルヴィルの真意はよく分からない。監督の意図はよく分からない。
 けれど、「えっ?」と驚く結末であった。
 この意外性は、しかし、予想していた展開が見事に裏切られたことからくる「痛快さ」「一本とられた!」にはつながらない。すっきりはしないのである。コメディと思って観ていたものが、最後の最後で何だか哲学的様相を帯びて、戸惑うのである。
 メルヴィルの爆弾宣言でバチカンは揺れる。帰還に安堵していた枢機卿たちはショックで顔を引きつらせる。
 それでジ・エンド。
 なんだろうな、この結末は?


 『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督なら、おそらく最初に自分が掲げた予想通りの物語を、笑いと涙とスピリチュアル的感動とで十全に描き出すであろう。実はそれを期待していた。たまにはそんなベタな物語に酔いたいという気持ちもあってレンタルしたのである。

 ナンニ・モレッティ監督は食わせ者だ。

 メルヴィルは法王の座を拒否し、世界の期待を裏切って、カトリックの長としての役割を放棄した。
 それは法王としてはもちろん失格以前の話である。
 しかし、逆説的だが、型どおりの「物語」を崩壊させてはじめて、バチカンを「外に向かって開いた」と言えるのかもしれない。
 メルヴィルの行為は、世界中に議論を巻き起こし、キリスト者をはじめ宗教を信じる者たちに問いを突きつけることになるだろう。
「信仰とは何か?」
「バチカンや法王の存在意義は?」
「コンクラーヴェの意義は?」
 そして、前法王の崩御が自動的に新法王の選出&誕生をもたらすという伝統に、あたかもそれが一大エンターテインメントであるかのごとく慣れきってしまい(だれが法王になるかの賭のオッズまで新聞に掲載される)、思考停止に陥っている大衆の無知蒙昧ぶり。
 その意味で、メルヴィルは、法王になることでよりも、法王になることを拒否したことで、結果的にはより「信仰」「伝統」という問題について人々が自らを省みるきっかけを作ったと言えるかもしれない。
 それも神の意図か?



評価:C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!



● 壊れゆくバチカン1 映画:『宇宙人王(ワン)さんとの遭遇』(アントニオ・マネッティ、マルコ・マネッティ監督)

 2011年イタリア映画。

 ブログを書いていると、因縁の仕組みを感じる。

 このブログで取り上げる映画はそのときそのときの自分の感覚でチョイスしたもので、偶然TUTAYAの棚で見かけて「面白そう」と思って手に取ったものである。「どういうテーマの映画を観よう」とか「次はこの監督(俳優)の作品を観よう」という意図はほとんどの場合働いていない。映画の内容についても、借りる前にそれほど詳しくチェックしているわけではない。せいぜい簡単なあらすじくらい。見終わったあとで評価を下したら、自分の中では「完了」である。
 ブログで感想を書き始めてみて気づいたのは、自分では「面白そう」優先で行き当たりばったり選んでいるつもりの映画のリストを、あとから時系列で辿ってみると、作品から作品へ何らかの繋がり(関連)が連想ゲームのように浮かび上がって見えて来ることである。コメディ、シリアス、オカルト、SF、恋愛、文芸もの、伝記もの・・・。作品のジャンルや舞台背景、映画の制作年や制作国はさまざまなれど、一連の流れが存在するのだ。まるで、自分の意識(意図)とは別のところで無意識が働いて、それが勝手に棚の前に立つ自分の手を作品に導いているかのようである。
 と言って何も神秘化する必要はない。
 単に、自らの内面を流れる意識や思考や感情の流れ(連鎖反応)にきちんと気づけていないだけなのである。前の(過去の)選択結果が因となって、次の(未来の)選択を生む。自分で認識していないだけで、実はちゃんと因果は働いているのだ。
 より深いところで「自分」を動かしているもの、それが因縁である。

 アッシジの聖者『神の道化師フランチェスコ』を観たあとに、2本つづけて同じイタリア映画を借りてしまったのは、偶然でもシンクロニシティでもなく、どこかでイタリアに対する執着があるのだろう。その2本(SFとヒューマンコメディ)が、蓋を開けてみたら、どちらもはからずも「バチカン崩壊」に関わるテーマであったことも偶然ではあるまい。


 『宇宙人王(ワン)さんとの遭遇』は、一見月並みな映画である。
 地球(ローマ)に飛来し、家宅侵入で黒人女性に捕らえられ、当局から拷問まがいの尋問を受ける宇宙人。
 「地球に来た目的はなにか?」
 「お前が持ち歩いているこのへんてこな機械の使途はなにか?」
 宇宙人は答える。
 「地球人との交流、相互理解が目的です」
 「これは母船への連絡ツールです」
 まったく信用しない尋問官。
 激しさを増す拷問。
 その容赦無さに、宇宙人との通訳のために雇われた若き女性は、人道主義に訴える。
 だが、警備厳重な地下室で行われている長引く尋問は、宇宙人にとってはただの時間稼ぎに過ぎなかった。
 地上では宇宙人による空からの攻撃が開始される。
 壊れゆくバチカン。消えてゆくローマの街。

 それだけの話なのである。目新しい展開、意外な結末はここにはない。
 もっとストーリーの凝った、意表をつく展開はいくらでもあるだろう。地下室のセットも安っぽいし、当の宇宙人もその昔ウルトラマンに出てきたような前時代的風貌(=着ぐるみ)である。
 だが、この作品には目を離させない磁力がある。
 それを作っているのは、当の宇宙人が自らを「王(ワン)」と名乗り、中国語を流暢に喋る紳士キャラ、というところである。
 それによって、作品自体が、中国という欧米人から見たら得体の知れない国、今や経済戦争の頂点に立って世界を脅かす強大な国、欧米流のルールが通用しない唯物主義の国、に対する一種の風刺になっているのである。 
 一昔前であれば、この宇宙人は日本語を喋っていたであろう。

 宇宙人との通訳のために雇われた中国語通訳のイタリア女性は、破壊されていくバチカンのドームを窓越しに見つめながら、自らの人道主義の幼稚さを知る。
 だが自分を責めることはない。
 大宇宙を旅して地球に来ることができる時点で、その科学力はもはや地球人の比ではないのだから。闘うだけ無駄だ。



評価:C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
      
C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!

 

● 自立する幽霊 映画:『アウェイクニング』(ニック・マーフィー監督)

 2011年イギリス映画。

 舞台は森と湖に囲まれたイギリスの田舎。
 時はヴィクトリア朝の匂いが残る20世紀初頭。
 頬白き少年たちが共に学び生活する堅牢な寄宿舎。
 そして幽霊譚・・・。


 これだけ揃って食指が動かぬわけがない。
 幽霊譚にはやはりそれなりの雰囲気が必要である。
 現代の都会のオフィスで起こる霊的現象も怖いにゃ怖い。ショートする蛍光灯、勝手に起動したパソコン画面に打ち込まれるメッセージ、突如鳴り出す電話のベル、空中浮遊する書類や文具。数年前上司との不倫がもとでビルから飛び降りた女子社員の座っていた席のあたりに人影が・・・・。
 怖いっ。
 だが、雰囲気に欠ける。
 自分が幽霊譚に望むのは「美しさ」「哀しさ」「時を超える愛惜」なのである。
 おそらく、こうした好みを作っているのは十代の頃に読んだ萩尾望都の『ポーの一族』であろう。もっとも、こちらは幽霊ではなく吸血鬼(ヴァンパネラ)であるが・・・。

 Awakening とは「目覚め、覚醒」という意味である。
 何を目覚めさせるのか。
 それは記憶である。
 意味深なタイトルだ。

 映像は悪くない。物語のプロットも凝っている。演技も手堅い。
 ニコール・キッドマン主演の『アザーズ』やスペインで大ヒットしたオカルトミステリー『永遠の子供たち』を思わせる。とくに、子供たちの寄宿舎という設定、ヒロインの過去が重要な鍵となるところ、そして哀しい結末などは後者に似ている。
 自分が望む3点セットを見事に満たしているので及第点を上げたいのだが、二番煎じ三番煎じなのが減点となる。

 この映画は、一連の「音」から始まる。
 重いドアをバタンと閉める音、厚いカーテンをシャーッと閉める音、石造りの床を打つ靴音、ドアの鍵をカチリと閉める音・・・。
 これらの音の連鎖に耳を傾けているうちに、自分の記憶も甦ったのである。
 それは、はじめて映画館で洋画を見始めた頃の印象である。
 何が驚いたって、西洋の日常生活において生じる様々な「音」の切れ味鋭さにビックリしたのである。日本の(自分の)生活空間にはない音が存在し、それらはこちらの心臓が止まるくらいの音量と鋭さとで自己主張する。
 ドアが閉まる音や鍵を閉める音、靴音などは、もろ生活様式、建築様式の違いから来る。日本の家屋は靴を脱いで上がる。西洋式のドアはもちろんあるけれど、普通それほど重厚なものではない。ふすまや障子やスライド式の扉も多い。室内で大きな物音を立てること自体、日本では一般に良くないとされる。自分の受けた躾の中にも「もっと静かに戸を閉めなさい」というのがあった。
 それまでに家のテレビでも洋画を見ていたけれど、テレビの音声、お茶の間の音量であったし、日本語吹き替えでもあったので、それほど気にならなかった。映画館の大画面、大音量を経験して、まず衝撃を受けることになったのである。

 衝撃の理由は、自分の生活の中にない音を発見したとか、音自体の鋭さ・喧しさに驚いたというだけではない。その「音」が暗に意味する西洋文化における「遮断」「断絶」「孤立」の感覚に畏怖したのである。
 たとえば、重い鉄の扉をバタンと閉める音には、きっぱりとした他者の排斥が聞き取れる。自他のテリトリーの固持または主張が感じられる。すなわち、西洋文化の根幹をなす「個人主義」が潜在している。
 その音は日本人の自分にとって、周囲の他者からの断絶の恐怖であり、自立を強いる社会からの圧力のように響いたのである。
 ひるがえって西洋の子供たちは、物心ついてからずっとこうした音の中で生活しているのだ。「自立」をあたりまえとしていくのも当然であろう。


 個人主義の文化における幽霊の恐怖は、おそらく、命や財産を脅かされることよりも、「他」によって浸蝕される「自我」の恐怖なのではないか。幽霊を最終的には退治したのはいいが、主人公が精神病院に収容されてしまうシーンで幕を閉じる映画を結構たくさん観た気がする。
 それにくらべると、日本の伝統的な(?)幽霊が常に「うらめしや~」と恨みを訴えて出てくるのは実に分かりやすい怖さである。
 「自立」とは、自分の足で立って歩くことである。伝統的な日本の幽霊には足が無くて、西洋の幽霊にはしっかりと足がついているのも面白い符合である。



評価:C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」      

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


 
 

● ダニエル・シュミット追悼 映画:『拘禁 囚われし宿命の女』(エウヘニア・ミラ監督)

 2010年スペイン映画。

 ポーやディケンズを思わせるゴシックロマン。
 全編に溢れる映像美。

 というDVDパッケージの文句に惹かれてレンタルした。この種のくすぐりには弱い。
 観ると、なるほど嘘ではない。19世紀のヨーロッパの街並みや風俗が丁寧に再現されている。映像も凝っている。特にラストの教会の階段シーンの演出は、エイゼンシュタイン、黒澤明、ダニエル・シュミットなど巨匠の名前が次々と想起されるほど見事である。
 そうだ! これはダニエル・シュミット風の映画だ。幻想、耽美、ミステリアス、退廃、メロドラマ。シュミットよりは通俗的で饒舌であるが・・・。

 いまウィキで調べて知ったのだが、シュミットは2006年に亡くなったのだな。64歳とはまたずいぶん若い。
 久しぶりに『今宵かぎりは・・・』(1972年)が観たくなった。

 
評価:C+ 

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」     

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
        

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!

● 映画:『アナザーワールド VERBO』(エドュアルド・チャペロ・ジャクソン監督)

 2011年スペイン映画。

 ユニークなSFファンタジー。
 途中でアニメになったりして、押井守(『アヴァロン』他)の影響を感じる。
 VERBOとはスペイン語で「動詞」の意。字幕では「言霊」と訳されている。うまい訳だ。

 周囲の世界に馴染むことのできない15歳のサラは学校にも家にも居場所が無くて問題児扱い。救いを見いだすことができず、自殺を図る。
 この世とあの世の狭間の世界に落ちたサラは、そこでリリコ率いる5人の戦士と出会い、自分らしく生きるための試練に立ち向かうことになる。

 子どもにとっての「壁」とは、①親、②学校(先生)、③友達、なんだと思い出す。
 大人にとっての「壁」とは何だろう? ①親族、②職場、③世間、か?

 ありのままの自分であることが世間標準から逸脱してしまう者にとっては、それらは「壁」となって立ちはだかる。そうでない者にとっては「後ろ楯」となる。




評価:C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」     

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!

● 映画:『戦火の馬』(スティーブン・スピルバーグ監督)

 2011年アメリカ。

 物語前半のなんとも美しい田舎の風景シーン、てっきりCGだと思っていたのである。スピルバーグもついにここまで来たか・・・とちょっとがっかりしながら観ていた。
 見終わったあとに撮影の模様を紹介した付録映像を見ると、イギリスでの屋外ロケなのであった。


 CG技術の進歩の弊害の一つは、圧倒的に素晴らしい実写シーンですら、いや素晴らしければ素晴らしいほど、「どうせCGだろ」と思わせてしまうところにある。CGかそうでないかを見抜ける目があればいいのだろうが、もはやそれを観る者に期待するのは困難なレベルまでCG技術は達している。映画の始まりで「この映画はCGを使っていません」とでも但し書きしてもらえばいいのか。
 CGだろうが実写だろうが、素晴らしいシーンは「素晴らしい」と素直に楽しめばいいのだろうけれど、どうも「CG=人工=ニセ物=手抜き」「実写=自然=本物=手間がかかっている」という固定観念から抜けられないでいるものだから、「CGだろ」と思った瞬間、映画そのものの価値を低く見てしまうのである。


 実際「CGだろ」と勘違いするほど、美しすぎる映像、できすぎる映像が続く。
 飽きさせないストーリーテーリングもキャラクターの魅力も申し分ない。スピルバーグはやっぱりジョン・フォードの正統な後継者である。
 ある意味、この映画は、かつて映画に出演したすべての馬に対するオマージュなのだろう。フォードの馬、黒澤の馬、西部劇の馬、時代劇の馬、戦争映画の馬、牧場の馬、農耕馬、競走馬、少年少女の友としての馬・・・・。


 スピルバーグは偉大である。
 だが、大人の映画は撮れない。
 どんなに重く暗く深いテーマを扱おうが、どんなに映画の中で人が殺されようが、子供に安心して観せられる。子供が面白がって観ることができる。
 意図的なのか、そのようにしか撮れないのか。
 たぶん、後者だろう。
 スピルバーグは、マイケル・ジャクソン同様、ピーターパン(=永遠の子供)なのだと思う。
 彼の映画はもう一つのディズニー映画である。
 



評価:C+


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


● 映画:『王妃の紋章』(チャン・イーモウ監督)

 2006年中国映画。

 良くも悪くも中国、って感じの映画である。

 豪華絢爛の王朝絵巻と感嘆する一方、虚仮脅しという気もする。
 膨大な制作費と大量のエキストラを投入した歴史超大作と持ち上げたい一方、CGと人海戦術による張り子の虎という気もする。
 中国2000年の伝統を宿す極彩色の映像美を讃えたい一方、単なる派手好き、見栄っ張りの金満主義という感じもする。

 チャン・イーモウはこのあと2008年北京オリンピック開会式のディレクターを勤めたが、この映画はその練習台だったのではないかという感じがする。


 物語もまた一見、陰謀と愛欲と権謀術数とが渦巻く戦国大河ドラマという趣ではあるけれど、その実は単なる家族喧嘩なのである。『スターウォーズ』が宇宙を舞台にした父と子のすったもんだでしかなかったのによく似ている。
 一つの家族の愛憎劇に、何億という人民を引きずり込み、敵味方に分けて、その命を足下の微生物のように踏みしだく。人を人とも見ない権力者の有り様は、醜いものである。人を駒としか見ない演出家の有り様もまた同様に。

 絶対的権力を持つ国王(チュウ・ユンファ)は、もっとも後継者にふさわしい息子の一人に言う。
「俺が与えないものを決して取ろうと思うな」
 この言葉に反逆し重陽の日に反乱を企てた王子は、結局、国王の軍に囚われ、国王と王妃(父と母)の面前で自害する。
 このセリフ、この結末から、「国王」が象徴しているのが中国共産党であることを読み取るのは難しくない。


 中国共産党には逆らうな。
 それがいかに「虚仮おどし」で「張り子の虎」で「金満主義」であろうとも。


 チャン・イーモウは、オリンピック開幕式ディレクターの栄誉を前に日和ったのであろうか。
 それともこれは彼なりの体制に対する風刺なのだろうか。


評価:C+
 


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
  

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


● 映画:『スティクス~冥界の扉~』(ショーン・ギャリティ監督)

 2005年カナダ映画。

 原題はLUCID
 「わかりやすい、明快な」という意味であるが、諧謔か冗談のつもりなのだろうか。内容的には最後の最後まで「わかり」にくく、「明快」ではない。
 邦題のスティクスとはギリシャ神話に出てくる冥界を流れる川のことである。「明快」と「冥界」とをかけたのか(笑)。
 この邦題からオカルト&ホラー映画を期待すると肩透かしを食らう。が、結末に至って、あながち見当違いなタイトルでもないな、と納得する。

 昨今流行の「ディック感覚」すなわち主人公のアイデンティティ(=現実感)の揺らぎと崩壊を物語の根幹の仕掛けとした「虚実転覆型ミステリー」である。
 「虚実転覆型ミステリー」という言葉は今自分が作ったものであるが、思いつく限りに挙げてみると、
 マトリックス、アザーズ、ネクスト、オープン・ユア・アイズ、バニラスカイ、ダークシティ、アヴァロン、13階段、ニルヴァーナ、アイデンティティ、シックスセンス、ナイン、そして本作『スティクス』と制作年が同じでなければどちらかがどちらかを剽窃したのではないかと言ってもいいくらい設定がよく似ているアメリカ映画『ステイ』(ユアン・マクレガー出演)・・・。

 先鞭をつけたのはなんだろう?
 『未来世紀ブラジル』あたりだろうか。
 自分はこの種の映画が結構好きなのであるが、それは「自我の崩壊」というテーマに「諸法無我」の仏教的世界観を見る思いがするからであろう。西洋映画にこういったテーマが頻繁に扱われるようになってきたのは、キリスト教的デカルト的世界観に対する懐疑が西洋社会および西洋人に蔓延してきていることの徴のような気がする。

 この手の映画の最たる特徴の一つとして、すべてを観終わったあとでもう一度始めから観たくなる、細部を確かめたくなる、というのがある。
 この映画もその通りで、ラストクレジットが出てから「メニュー」に戻って、再び最初から2倍速で全編を観るハメになった。そして、「なるほど、よくできているなあ」と感心した。

 考えてみたら、映画館でこれはできない話である。
 もちろん、映画館で同じ映画を二度観ることはできるが、一回目と同じだけの時間がかかってしまう。倍速はDVDだからこそ可能な操作なのだ。
 一粒で二度おいしい「虚実転覆型ミステリー」の流行は、ビデオデッキやDVDプレイヤーの普及と深い連関を持っているのだろう。日本発の映像機器が、西洋人の伝統的世界観を変えつつあると考えたら痛快である。
 
 この映画の教訓。
 「浮気はするな。居眠り運転はするな。」
 

 
評価:C+


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」       

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
   
C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃいが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!






●  よしりんの予見 映画:『逆噴射家族』(石井聰互監督)

 1984年日本映画。

 『水の中の八月』が良かったので、石井監督の初期の作品を借りてみた。
  
 まず、役者達の個性が光っている。
 当時DJとして人気絶頂だった、というよりDJという職業を大衆に認知させた小林克也が、真面目で小心で思い込みの激しい父親役に見事にはまっている。母親役の倍賞美津子は上手い。息子役(有薗芳記)と娘役(工藤夕貴)も漫画チックなキャラクターを存分に愉快に演じている。祖父役に植木等を配して、完璧なペンタグラム(五角形)を成している。
 バランスのいい家族の間の死のバトル・ロワイヤル。

 戦闘前のサスペンス効果を盛り上げるのに、映像表現に依らずロック音楽に頼っている、肝心の戦闘部分の演出が雑で今ひとつ迫力に欠ける、など稚拙さは目立つけれど、家を失った一家が高速道路の高架下で食卓を囲む最後のシーンに見られる映画的時間と空間の幸福感には、石井監督の才能の曙光が紛れもなしに認められる。



 ところで、小林よしのり原案・脚本である。
 『東大一直線』『おぼっちゃまくん』『最終フェイス』など、自分は小林よしのりの漫画を楽しんできた。ファンであったと言ってもよい。それが『ゴーマニズム宣言』以降、楽しめなくなってきた。どんどんどんどん右傾化し、教条主義になり、今では彼がどのあたりにいるのか見当もつかない。もう二度と『おぼっちゃまくん』のように子供達に愛される作品は描けないだろう。残念である。
 だけど、小林よしのりが「変わった」「おかしくなった」というわけではなかろう。そう思うのはこちらの勝手な偏見と期待の押しつけで、もともとああいう狂気なところがある人なのだと思う。彼としては過去の人気少年漫画家時代の自分と今現在の自分との間に整合性はみているのだろう。彼の漫画の面白さは明らかに狂気と紙一重のところにある発想の天才性にある(あった)。
 そういう目で見ると、この映画の主人公・小林勝国(小林克也)が次第に精神を破綻させていく姿は、小林よしのりのその後の変貌に重なる。
 「自分の家族(国)はどこかおかしい」という正確な認識から始まって、「自分がなんとかしなければ」という(誰に頼まれたでもない)過剰な責任感を背負い、元軍人の父親の扱いに困り果て、その居場所作りのために買ったばかりのマイホーム(戦後民主主義)のリビングの床に穴を開ける。本来の生真面目さが目覚めた狂気を煽り立てる。愛する家族を守るためには家族を皆殺しするしかないという本末転倒に陥り、最後は家を全壊させる。

 あたかも84年の時点で、小林よしのりは今後の自分を予見していたかのようである。



評価:C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」       

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!

● 映画:『キューブ・ホスピタル』(ニコラ・ブークリエフ監督)

 2008年フランス映画。

 アルツハイマーを発症し、精神障害者ばかりの介護施設に収容された元刑事シャルル(アンドレ・デュソリエ)。そこでは、一人また一人と患者が姿を消してゆく。不審に思ったシャルルは長年培った刑事の勘と捜査技術を利用して真相の解明に着手するのだが、周囲の誰もが、施設の仲間はもとより職員も家族も、シャルルの言うことをまったく信じない。
 それも仕方ない。だって、シャルルはアルツハイマーなのだから。

 はたして、一連の患者の死は単なる偶然なのか。
 それとも真犯人がどこかにいるのか。
 すべてはシャルルの妄想なのか。

 シャルル役の男優の演技が見物である。
 アルツハイマーの元刑事という難役を見事にこなしている。相当アルツハイマー患者の研究と観察をしたことだろう。
 他の精神障害者たちの演技もリアリティがある。
 施設の職員達の風情や業務の様子も妙にリアリティがある。

 この妙なリアリティの濃さが他の点ではどうってことのないこの作品を駄作から掬い上げている。



評価:C+


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!




● 映画:『イベント・ホライゾン』(ポール・W・S・アンダーソン監督)

 1997年アメリカ映画。

 SF(宇宙船もの)とオカルトが結合した異色作。
 こういう手があったか。

 7年前に処女航海で消息を絶った宇宙船イベント・ホライゾン号が、突如海王星近くに現れた。乗組員の救助と謎の解明に向かうルイス・アンド・クラーク号のクルー達は、同乗するウェア博士(サム・ニール)から驚くべき事実を聞かされる。
 イベント・ホライゾンは空間移動装置「コア」を搭載しており、宇宙空間を瞬時にワープすることが可能な船だった。だが、ワープは失敗し、船は別次元に入り込んでしまったのである。
 いったい、そこはどこか?
 そして、乗組員達はどうなったのか?

 いまや無人となったイベント・ホライゾン号に足を踏み入れるクラーク号のクルー達。
 自分たちが「地獄」から帰還した船の次なる餌食になるとはつゆも知らずに・・・。

 セットも特撮も水準以上。
 役者達も派手ではないが手堅い演技を見せてくれる。
 人間の秘められた欲望や弱みにつけこみ魂を乗っ取るというアイデアは、『惑星ソラリス』が元ネタであろう。それをオカルト風に脚色したところがユニークである。

 イベント・ホライゾン号の乗組員の最期が記録装置に残されていて、それをクラーク号のクルーが見るシーンがある。一番グロくて、恐ろしい、目を背けたくなるシーンである。
 ある意味、エイリアンよりずっと恐いかもしれない。エイリアンは外から来る敵だけど、こっちは人の心に潜む獣性だから。

 「地獄から自分自身を救え!」

 場所が宇宙だろうと、時が未来だろうと、オカルト映画にもっとも合う言語はラテン語である。
 悪魔もまた神をののしるのに、バチカンの公用語を使う。


評価:C+


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!






 

● 映画:『サイレント・ランニング』(ダグラス・トランブル監督)

 1972年アメリカ映画。

 なんだか英語教材のようなタイトルであるが、サイレント・ランニングとは「潜水艦が攻撃を避けるためにソナーで所在をつかまれないよう、音を立てないで行動すること」を言うらしい。
 映画に出てくるのは潜水艦でなく宇宙船であるが、このタイトルが果たしてストーリーにふさわしいのかどうか疑わしい。
 ぶっちゃけてB級である。

 『2001年宇宙の旅』、『未知との遭遇』、『スタートレック』、『ブレードランナー』という錚々たるSF傑作群の特撮を手がけたトランブル監督だけに、特撮技術は見事なものである。(ただし船体内のセットはちゃちさが目立つ。)
 宇宙空間にあたかもエデンの園の如く浮かぶ花と緑と泉の楽園というアイデアも秀逸である。この童話的な感覚と色彩はどこかで経験したと思ったが、調べてみたら、この監督の父親ドン・トランブルは『オズの魔法使い』(ヴィクター・フレミング監督、1939)の特撮スタッフだったと言う。とすると、主役フリーマン・ローウェル(=ブルース・ダーン)は、故郷に帰れなくなったドロシーか・・・。なるほど、ジョーン・バエズの挿入歌Rejoice In The Sunは、名曲Over The Rainbowを歌うジュディ・ガーランドの夢見るような、どことなく切ない歌声に重なる。この映画は、ダグラス・トランブルが父親へ捧げるトリュビュートなのかもしれない。
 宇宙船での生活において、なくてはならない人間のパートナーとして「ドローン」と呼ばれるランドセル型ロボットが出てくるが、その不格好なさまとぎくしゃくした動きがかえって愛らしく、微笑ましい。『スターウォーズ』のR2D2の先駆けであろう。
 ロボットをのぞけば、登場人物たった4人で、うち3人を残る一人が殺してしまうので、途中からブルース・ダーンの一人芝居となる。とりたててハンサムでも魅力的でもないが、存在感のある役者である。自身が創造した花園でベージュのローブをまとって、鷹だか鳶だか鷲だかを腕に留める立ち姿は、モーゼかノアを連想させる。

 魅力的な要素がたくさん詰まった作品であるが、脚本が今ひとつ面白くない。地上では消滅した緑と生態系を、仲間の命を奪ってまでも守り抜きたいというフリーマンという人物を、性格異常者として描きたいのか、人間性の最後の光として宇宙空間に放ちたいのか、描き方があいまいである。
 うがった見方をすれば、There is no place like home.(我が家にまさるところなし)がキーワードであった『オズの魔法使い』の30年代から、ベトナム戦争を経て、帰りたい心の拠り所としてのhomeを見失った70年代への変遷が隠れたテーマなのかも知れない。


評価: C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!

 
 

● 映画:『ペイチェック 消された記憶』(ジョン・ウー監督)

 2003年アメリカ映画。

 これもまた原作はフィリップ・K・ディック(FKD)。
 「ディック感覚」に酔うことができる。(→ブログ記事参照http://blog.livedoor.jp/saltyhakata/archives/6379736.html

 すんなりとはわかりづらい設定の、すんなりとはわかりにくいストーリーを、見事な脚本とテンポの良さとでゲームのように面白く仕上げている。
 さすがジョン・ウーだ。

 大企業の極秘開発の仕事を請け負うジェニングス(ベン・アフレック)は、仕事が済んだら雇用期間のすべての記憶を消去されるのが決まりとなっている。
 この記憶の消去作業が、脳の中の特定の記憶(メモリー)の詰まった特定の細胞を、あたかも「検索してファイル選択して削除する」みたいな仕組みになっているのが面白い。
 一定期間の記憶喪失という仕掛けだけでも興味深い物語を作れそうだが、FKDはそれだけじゃすまさない。
 3年間契約の意図的・自覚的な記憶喪失中にジェニングスが携わって成功させた研究の中味は、なんと未来を見ることのできる装置の開発だったのである。
 かくして、ジェニングスは、任務終了と共に、過去3年のいっさいの記憶と一緒に、垣間見た未来の記憶をも失うことになる。
 この未来の記憶、未来の地球を見てしまった衝撃故に、ジェニングスはこの装置の存在を疎み、いずれ研究施設に舞い戻って破壊する決心をする。そして、記憶の消されぬうちに、いろいろそのための準備をするのである。
 さて、社によって記憶が消され3年前の自分に戻ってみると、当然自分自身で仕掛けた準備の意味が判らない。手元に届いたのは、封筒に入った意味不明の20個のアイテム(ライター、サングラス、整髪剤、ルーペ、腕時計、煙草、どこかの鍵・・・・・e.t.c.) 送り主は自分である。
 この20個のアイテムの意味はなんなのか?
 どこで、どう使えばいいのか?
 自分は一体、何を意図していたのだろう?

 ほかならぬ自分の仕掛けた謎を、自分で一つ一つ解いていくというところにゲーム的な面白さがある。それぞれのアイテムがどう使われ、どう役に立つかを見守る楽しさがある。


 ところで・・・。
 20個のアイテムはその役目を十分に果たし、結果的にジェニングスを暗殺の危機から救ってくれた。装置も破壊され、ジェニングスは恋人と結ばれ大金持ちになる。
 めでたしめでたし・・・・。
 しかし、それが可能となったのは、ジェニングスが未来を垣間見て、任務終了後に身の上に降りかかる事態をあらかじめ知っていたからである。
 つまり、「未来を変えようと行動する自分」という未来を見たことになる。

 なんか矛盾してないか?????

 ・・・・・・・・・。

 こういうタイムワープものは深く考えたらダメである。



評価: C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


 

 
 
 

● 映画:『ザ・フェイク』(クルト・M・ファウドン監督)

 2003年ドイツ映画。

 のっけから主役の青年エイドリアン(ケン・デュラン)のイケメンぶりに惹きつけられる。
 金髪長身、白皙青眼、明るい顔つきをした好男子である。
 カメラもその美貌を引き立てるように最初から、車を運転するエイドリアンを正面からアップで捉え続ける。
「なんだ、この監督ゲイか?」
と思うほどであるが、あとになってこのアップ撮影の意味が分かってくる。小憎らしい演出である。

 雪で閉じこめられた村落で起こる殺人ミステリーという道具立てに、なんだかアガサ・クリスティの世界一のロングラン芝居『ねずみ取り』を連想する。登場人物達の動きといい、セリフといい、出ハケのタイミングといい、なんだか舞台劇っぽいなあと思うのであるが、これも果たしてはじめから計算し尽くされた演出であることが分かる。ますます小憎らしい。

 観る者は、途中まではエイドリアンと視点を共にし、役者志望のエイドリアンを不意に襲った災厄に同情し、彼を取り巻く登場人物達の謎めいた行動に、どんな恐ろしい陰謀が裏に潜んでいるのか想像を働かせることになる。
 しかし、種明かし以降は、今度は他の登場人物達の側に立って、エイドリアンの一挙手一投足をハラハラしながら見守ることになる。
 エイドリアンに仕掛けられた大がかりな罠の正体は何か?
 それは観てのお楽しみである。


 それにしても、ドイツ映画というのはこういう心理的サディズムが好きだなあ。
 普通こんな目にあったら精神壊れるよ。
 人間信じられなくなるよ。

 
 
評価:C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


 

● 映画:『ミッション:8ミニッツ』(ダンカン・ジョーンズ監督)

 2011年アメリカ映画。

 SFサスペンス&ミステリーといったところか。
 一種のタイムパラドックスものなのであるが、正直、もうこの種の仕掛けには飽きてきた。
 列車爆破事件の犠牲者の一人の事故8分前の意識に侵入し、その8分間で犯人を探すという困難な使命(ミッション)を負ったアフガニスタン帰りの兵士(ジェイク・ギレンホール)の話であるが、そもそもこの仕掛け自体に無理がある。相対性理論だか量子力学だかの応用という、いかにもこじつけっぽい説明で観る者を馬鹿にしている。
 そんなことができるくらいなら、列車内のすべての人の意識を検索すれば、すぐさま犯人がわかるではないか。
 同種のものなら、清水玲子の傑作マンガ『秘密ートップシークレット』のほうがよっぽど将来実現しそうな設定であり、物語の装置としても面白い。

 ジェイク・ギレンホールというキャスティングもどうだろうか。
 『ブロークバック・マウンテン』のイメージを引きずっているというのではなく、この男優は見るからにゲイっぽい。実際はどうか知らないが、このゲイっぽい相貌は男女間の恋愛を演じるにはリアリティの点で難しいものを感じる。アフガニスタン帰りの無骨な兵士というキャラクターもそぐわない。実際にゲイの兵士はたくさんいるだろうけれど、ゲイっぽい男優がスタンダードな(男らしい)男を演じるとどうしても違和感を醸し出す。高倉健が男っぽい伍長を演じてもサマになるが、竹野内豊ではスタンダードにはまらないというような感じか・・・。

 物語の仕掛けの複雑さと、描き込まれた人間感情のありきたりさと、あまりにギャプありすぎて、まるで「仕掛けのための仕掛け」みたいになってしまっていて、ちょっと白ける。



評価: C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!



● 新ジャンル提案! 映画:『ジュラシック・プラネット~恐竜の惑星』(ゲーリー・ジョーンズ監督)

 2006年アメリカ。

 21世紀後半、未知の惑星からのSOSを受信した精鋭部隊と科学者の一行は、何者かを救出するために惑星に降り立った。
 なんとそこにはロビン・フッドでも現れてきそうな中世ヨーロッパの街並みが広がっていた。不審に思う一行の姿を物陰から虎視眈々と狙うのは、残忍な恐竜たちの目。
 
 SF+アクション+アドベンチャー+サスペンス+スプラッタ=コメディ
という不思議な等式が成り立っている作品である。
 これでもかこれでもかと続く、B級いやC級攻撃にリモコンのSTOPボタンを押す手も麻痺してしまい、結局最後まで見せられてしまう。
 同じノリは、水野晴郎の『シベリア超特急』シリーズで経験したことがある。
 一言で言って「ちゃち!」
 だけど、「ちゃち」が相乗されると、「つっこみ」どころ満載という、別の意味での楽しさが生まれてくるのである。

・ 低予算の苦肉の策であることが見え見えの中世の街のセット
・ アンジェリナ・ジョリーとキャメロン・ディアスを足して2で割って紙ヤスリをかけたようなヒロイン
・ 人形劇に出てくるような恐竜たちの動き
・ バルタン星人のような惑星の先住民。なぜか突然現れて、突然死ぬ。
・ 縁日の射的と見まがう迫り来る恐竜たちへの銃撃戦
・ コルク栓のようにポンポンと抜ける隊員達の首 

 
 『シベ超』やこの作品のような類には、作品を紹介する時のために新しいジャンル名が必要だと思う。

 「張りぼて映画」というのはどうだろう?

 このレベルのままに続編を望みたい。

 猛禽1 
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 猛禽2
遂に恐竜たちに囲い込まれた生き残りの隊員たち



評価: C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!

  
 
 

 
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