銀座ギャラリー・ノアで開催中のAKI新作絵画展に行った。
AKIさんは1987年東京生まれの24歳の青年。軽度の知的障害を持ちながら、自由な感性でアートに挑戦している。海外にも作品を出展し、高い評価を受けているほか、日本全国で個展も開いている。サンマーク出版から絵本も出している。
AKIさんのおとうさんである木下昭さんは、若者へのエイズ啓発にも関心が高く、オカモトと交渉してAKIさんのイラスト入りコンドームを数万個制作したほど。おとうさんは仲間たちと一緒に、あちこちの行政を訪問してコンドームを配布してくれるよう依頼したが、引き受けてくれたところは本当にわずかだったと言う。
エイズ教育・性教育に対する行政や学校のおよび腰は今に始まったことではないが、東京では一日4人を超えるペースでHIV感染は広がっているというのに、大人たちは若者を見捨てるのか・・・。
木下さんとAKI親子とは、このエイズの啓発活動が縁で知り合ったのである。
AKIさんの絵は、見るたびにビックリする。
なんといっても色遣いが凄い。こどものお絵かきみたいな可愛いらしい動物や植物や昆虫などが仲良く共生しているキャンバスから、プリズムで分割された色のすべてが放射されているかのように、あらゆる色がひしめきあって、踊っている。100色のクレヨン箱にあるすべてのクレヨンを使おうと楽しんでいる子供のようである。
でありながら、どの色も決して自己主張していない。どの色も形態を破壊していない。過剰でありながらうるさくない。豊穣というべきか。
お父さんの話では、AKIさんは3月の震災以後、しばらくパニックに陥っていたのだそうだ。家の中にいられずに、しばらく車の中で生活していたという。いのちに対する共感力、周りの人々の感情に対する共振力が強いのであろう。
今回の個展では、震災後に描き始めたAKIさんの絵が中心に出ている。震災前に見たときより、色も動きも爆発している、踊っている、と思った。
いのちのダンス。
それにしても、どうやってこの色遣いが可能なんだろう?
色彩のバランスをどう意識しているのだろう?
もしかして・・・。
会場にいたAKIさんに訊いてみた。
「AKIさんの目には、こんなふうに色が見えているんですか?」
間髪も入れずにAKIさんは答えた。
「そうです。」
やっぱり。
色遣いを考えているのではなく、ただ自分の目に見えた通りを描いているのだ。

AKIさんの作品はホームページでも見ることができる。
http://www.life-aki.com/index.html